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  [ショップレポート]春―1st 伊勢丹新宿本店「リ・スタイル(Re-Style)」

 伊勢丹新宿本店(東京・新宿)のセレクトショップ「リ・スタイル(Re-Style)」に行ってきました。この春は「Y―3」や「ロシャス」などが充実。ベルギーの「アン・ドゥムルメステール(Ann Demeulmeester)」を押していました。


 2月初めの平日。夕方前なのに本館4階にはお客さんが大勢いました。「ファッションの伊勢丹」の集客力はさすが。「リ・スタイル」はわざと平場の造りにしているので、箱形の店よりずっと入りやすく感じます。まだセール期間中だったせいか、店内はかなりにぎわっていました。


 目立ったブランドは「Y―3」「ロシャス(Rochas)」「ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)」。老舗ブランド「ロシャス」は鬼才、オリヴィエ・ティスケンス氏が2003年1月に主任デザイナーに迎えられ、俄然、評価が高まっています。「ドリス・ヴァン・ノッテン」はボリューム感のあるスカートや刺繍使いの商品が揃っていました。


 国内デザイナーにも力を入れているようです。「トーガ(TOGA)」の期間限定コーナーを設けていました。古田泰子氏が手がける「トーガ」は2005年春夏東京コレクションへの参加を見送り、いよいよ海外コレクションに進出しそうな気配です。


 リメークブランド「レ・ブリカ・ブラック(les Briqu'a braque)」も置いてありました。私がずっとお気に入りのブランドです。ヴィンテージ物のハンカチやスカーフでスカートやドレスを仕立てることで知られています。長く米国に住んでいたデザイナー、山瀬公子(やませ・こうこ)氏が1997年にスタートしました。


 東京・青山で83年、ヴィンテージショップ「パラビオン(Par Avion)」をオープン。80年代の古着ブームの火付け役となりました。その後、リメークに乗り出し、代官山に「スカーフ(scarf)」というお店を構えました。


 代官山の店は小さなビルの4階にあり、マンションの一室のような控えめな店構え。定番の「ハンカチドレス」や「スカーフスカート」などの作品はヴィンテージの生地を使った、どこか懐かしい味わいで、とても温かみがあります。ヴィンテージクローズに魅了されたのがきっかけで、リメークの世界に足を踏み入れた山瀬氏には、スカーフやハンカチを使ったリメークを手ほどきした『かわいいクチュールリメーク』(文化出版局刊)という著書もあります。


 「リ・スタイル」に出るきっかけになったのは、「リ・スタイル」を立ち上げた当時のバイヤーで、カリスマバイヤーとして名高い藤巻幸夫氏の強力な引きでした。新人デザイナーの登竜門とされる「解放区」への出店を持ち掛けられた山瀬氏はいったんは辞退しますが、藤巻氏の押しの強さに負けて、「リ・スタイル」参加を受け入れたといいます。


 国産ブランドでは「マリリン・ムーン(marilyn moon)」という、「神戸お嬢様」テイストのブランドを打ち出していました。ラッフルあしらいのニットカーディガンやビーズ使いのブラウスなどが1万9000円〜2万円と、リーズナブルな値段でしたが、「リ・スタイル」に置いてあるのが、ちょっと意外な感じでした。


 デニムブランド「フルカウント(FULLCOUNT)」のジーンズもありました。大阪発のデニムブランドで、専用の洗剤を発売するほどのこだわりのデニムブランドとして知られています。


 「リ・スタイル」の脇に2004年8月22日にオープンしたのが、「リ・スタイル プラス(Re-Style PLUS)」。何度かお買い物しましたが、伊勢丹の中ではいい意味で「浮いた」感じのショップです。外観は黒。ロック、パンクの匂いがプンプンします。「大人の不良」に似合いそうな服がいっぱい揃っていました。


 入ってすぐのコーナーに並んでいたのが「L.G.B」の服。「L.G.B」はセレクトショップ「ル・グラン・ブルー(Le Grand Bleu)」(東京・麻布台)のオリジナルブランドです。以前、本店でよく買っていましたが、2004年9月にニューヨークのセレクトショップ「ジェフリー(Jeffrey)」を覗いたとき、ラグジュアリーなブランドの中に「L.G.B」を見つけて、驚きました。


 ザ・ローリングストーンズとのコラボレーションが再び決まったというロック系ブランド「ブディスト・パンク(Buddhist Punk)」のTシャツやカットソーも揃っていました。今シーズンはハードロック・バンド「AC/DC」とのコラボが実現しています。「ブディスト・パンク」は東京・銀座のセレクトショップ「リステア(RESTIR)東京」でも扱っていました。


 強く打ち出していたブランドは「アン・ドゥムルメステール」。ファッション校の名門、アントワープ王立美術アカデミー卒のベルギー人デザイナーです。革と黒を得意とするハードなテイストのデザインで知られています。この日も黒が大半のラックを埋めていて、「リ・スタイル プラス」の外観にマッチしていました。


 「リーバイス(Levi's)」のヴィンテージ復刻版もありました。「バイカー」「ステッチ」「リペア」「センタークリーズド(縦に折り目付き)」の4テーマで限定商品を販売しているそうです。


 ロサンゼルスのレザーブランド「アントン(ANTON)」は日本で初めて見ました。「リ・スタイル プラス」での取り扱いが日本初だとか。レザーとは思えないほどの、巧みに計算されたカッティング。手仕上げのレザージャケットはオーダーメードのようにきれいでした。


 「ミキ・フカイ(MIKI FUKAI)」の作品も置いてありました。英国のデザイン学校、セントラル・セント・マーティンズ校卒の深井みきが手掛ける新進ブランド。「リ・スタイル プラス」では唯一と言ってもいいフェミニンなブランドでした。


 でも、ただフェミニンなのではなくて、マスキュリンなテイストとうまくミックスされています。服を解体して仕立てているところはメンズのテーラー風です。ヴィンテージデニムを解体して作ったワンピースや、ロンドンのリバティープリントとヴィンテージ生地をミックスしたシャツなど、新しい感覚が盛り込まれていました。


 全体的に言うと、「リ・スタイル」は明るくフェミニンな感じ。一方の「リ・スタイル プラス」はダークな世界観を演出し、エッジの効いた雰囲気を醸し出していて、お互いに対照的な構成となっていました。明るい色合いが強まるサマーシズンに向けて、これから両ショップがどういった違いを見せていくのか、楽しみなところです。 2005年春1st


[連絡先]
住所 新宿区新宿3−14−1 伊勢丹新宿本店4階
電話 03−3352−1111(新宿本店大代表)

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