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  (5/25 03:21) [news] 「VAN」の石津謙介氏が死去

 「VAN」の商標で有名なメンズアパレル会社、ヴァンヂャケットを創業し、1960年代に「アイビールック」を流行らせたファッションプロデューサーの石津謙介(いしづ・けんすけ)氏が5月24日、東京都青梅市内の病院で死去しました。享年93歳。死因は肺炎だそうです。

 石津氏は米国東海岸の大学生のファッションを「アイビールック」として日本に持ち込み、一大ブームを巻き起こしました。ブレザー、ボタンダウン・シャツ、白靴下という「アイビールック」は一世を風靡しました。

 石津氏は1911年、岡山市に生まれました。明治大学商科専門部卒。多趣味で知られ、大学時代にはオートバイ部、自動車部、航空部を創設しました。中国・天津に渡り、服飾デザインを学びました。戦後、帰国し、51年にヴァン・ヂャケットを設立しました。

 同年、時、場所、目的によって服を着分けるという意味の造語「TPO(Time Place Occasion)」という言葉を提唱したことでも有名です。アパレル業界では今でも結婚式シーズンに出席者向けドレスを用意するような「オケージョン対応」という言葉が生きています。

 64年の東京五輪の日本選手団の制服をデザインしました。ヴァンヂャケットは最盛期の75年に売り上げ452億円を記録しましたが、78年に倒産しました。当時の負債額346億円はアパレルメーカーとしては史上最高額といわれました。「VAN」ブランドは別会社が商標権を買い取って、復活しています。

 倒産後も長年、ファッション界のリーダーとして積極的に発言を続けてきました。「ベストドレッサー」賞の創設の仕掛け人としても知られています。意外なところでは、全国の白バイ隊員の制服をデザインしています。雑誌「メンズクラブ」の創刊にも加わりました。ファッションコーディネーターの石津祥介氏は謙介氏の長男です。故人の遺志で献体し、葬儀を執り行わないのも、いかにも石津氏らしい気がします。

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