米国ミュージカル界で最高の栄誉とされる第５９回トニー賞の衣装賞に、日本を代表するファッションデザイナーの一人、コシノジュンコ氏がノミネートされました。同賞はニューヨークの劇場街、ブロードウエーの優れた作品を選ぶ賞です。

　日本人演出家として初めてブロードウエーに進出した宮本亜門氏が演出を手がけたミュージカル「PACIFIC OVERTURES」（邦題・太平洋序曲）」がリバイバルミュージカル作品賞にノミネートされました。コシノ氏は同作品の衣装をデザインしました。コシノ氏がミュージカルの衣装を手がけたのは初めてです。日本人デザイナーがトニー賞で受賞した例はないとみられ、受賞すれば初めてとなりそうです。

　「太平洋序曲」の舞台は幕末の日本。黒船来航に伴う、日本社会の混乱ぶりを描きました。コシノ氏は将軍、侍、農民ら様々な登場人物の衣装をすべてデザインしています。

　同作品は２００４年１２月から２００５年１月までブロードウエーで上演されました。原作は１９７６年に初演され、この年のトニー賞で衣装賞とライティングデザイン賞を受賞しています。

　舞台美術賞（松井るみ氏）、オーケストレーション賞（ジョナサン・テュニック氏）でもノミネートされ、合計４部門で候補となっています。同賞の発表・授賞式は６月５日です。