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  (5/12) 2005―2006年秋冬・パリコレクション解説 「ケンゾー(KENZO)」

 アントニオ・マラス(Antonio Marras)氏らしいクチュールテイストの作品が相次ぎました。ターコイズブルーやチェック柄を押しています。

 ターコイズブルーにゴールドをあしらった、ミニスカート丈のバルーンドレスでいきなり「ゴージャスキュート」の大胆な提案を打ち出しました。靴もターコイズブルーです。爪先が隠れるほどのロングドレスもあります。

 ターコイズブルーに花柄を散らしたベルベット調ジャケットはおへその辺りで裾が左右に開いています。ボトムはデニムを合わせてきました。インナーは白シャツにボウタイ(蝶ネクタイ)という意外なマッチング。パンツの裾はピンクの膝丈ブーツにインするというチャレンジングな演出です。

ターコイズブルーをベースカラーにしたチェック柄のブラウスとティアードスカートのセットはガーリーでいながら気品を感じさせます。スカートの段は水平ではなく、複雑に傾きを付けています。

 細かいプリントのショートジャケットに、マーメイドラインのロングスカートという斬新な取り合わせを披露。ジャケットは大きな3個のボタンをピンク、緑、ターコイズブルーと、1個ずつ色を変えています。

 ピンクベースで全身に花柄をあしらったロング・ドレスコートはまるで襟周りに花のレイを巻いたようです。ケープ風のドレスは超ミニ丈で上半身とか半身のアンバランスさが素敵です。太ももを思いっきり露出した総柄ホットパンツとの組み合わせも提案しています。

 ニットセーターは複雑な編み模様を全身にあしらい、ドレス代わりに使えそうな高級感を持たせています。袖先に糸を過剰に余らせ、指がまったく見えないようになっています。

 マニッシュなツイードのパンツスーツをクチュール感豊かに崩しています。細かいチェック柄の上下です。白シャツにネクタイという男流れのルールを守りながら、ジャケットは裾が曲線を描いて左右に開き、パンツはヒップハンガー。明らかなオーバーサイズでブカブカです。肩周りにしか布地が見えない、ボレロ風の超ショートジャケットを羽織るスタイルも提案しています。

 チュニックやカシュクールなど、ロシアや中央アジアの民族衣装にインスパイアされたような作品が相次いで登場しました。丁寧なエンブロイダリー(刺繍)が施されています。テーマは英国植民地時代のインドだったそうです。

 「ケンゾー」ブランドを引き継いで3度目のコレクションで、マラス氏はいよいよ本領を発揮したような気がします。これまでは高田賢三氏が作ったラインを大事にしてきた感がありますが、今回はハンドクラフトを重んじる「マラス色」が色濃く表れています。

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