「ドレスキャンプ（DRESS CAMP）」ブランドのライセンス商品が２００５―２００６年秋冬物からスタートします。総合商社大手の三井物産がファッション商品に関するマスターライセンス権を獲得しました。

　三井物産はアパレルメーカーや雑貨・小物メーカーにサブライセンスを認め、ライセンス料を稼ぐ戦略です。同ブランドが自前で既に展開している高級アパレルや服飾雑貨は除きます。

　同ブランドはデザイナーの岩谷俊和氏が手がけ、東京コレクションで最も注目度の高いブランドの一つです。２００５―２００６年秋冬・東京コレクションでは大勢のファンがコレクション会場となったラフォーレミュージアム六本木に押し寄せ、異例の入場制限を実施する騒ぎになったほどです。

　ライセンス商品の先陣を切って、バッグが販売される見込みです。「ドレス・キャンプ」の旗艦店（東京・南青山）や百貨店、セレクトショップで取り扱われます。今後は靴、帽子、水着も計画されています。ウエディングドレスも登場するようです。

　セクシーでゴージャスなデザインは海外バイヤーからも評価が高く、三井物産の後押しを受けて、パリコレクションに進出するのではないかという憶測も飛び交っています。１月末にオープンした旗艦店も三井物産の支援で実現しました。

　三井物産は「ピエール・カルダン」をはじめとする高級ブランドでライセンス事業に豊富な経験を持っています。しかし、ライセンス商品が増えると、ブランドイメージを保つのが難しくなっていきます。

　下着や靴下、食器、文房具などにまでライセンスを拡大していくと、高級感が損なわれるリスクが高まります。この辺りの手綱さばきが今後は三井物産に求められます。同ブランドは立ち上げ当初から、テキスタイルメーカーのアト・ワンズが展開しており、同社とデザイナーと３者の微妙な関係の維持も重要となります。