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  (4/15) 2005―2006年秋冬・ミラノコレクション解説 「バーバリー・プローサム(Burberry Prorsum)」

 「バーバリー・プローサム(Burberry Prorsum)」は1960年代のロンドンのストリートカルチャー、いわゆる「スウィンギング・ロンドン(Swinging London)」をテーマにした、ボヘミアンテイストのショーとなりました。

 デザイナーのクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)は写真家のデビッド・ベイリー(David Bailey)が撮った当時のロンドンからインスパイアされたそうです。ミニスカートが流行し、 「モッズファッション」が台頭した時代です。ベイリーは「ヴォーグ(VOGUE)」誌の表紙を飾ったスター写真家で、女優のカトリーヌ・ドヌーブとも一時期、結婚していました。

 色はブラウン系をベースにしています。マスタードカラーとの組み合わせて、レトロスペクティブな趣(おもむき)を醸し出しています。モスグリーンと茶という渋めの色合わせも多用してヴィンテージ風のテイストを出しています。

 ジャケットにスカートの組み合わせを押しています。ピーコート風のジャケットに合わせた、オリエンタルな総柄の膝丈スカートはももの辺りをふくらませています。レザージャケットの下に着た総柄ミニドレスも裾に思い切ってボリュームを与えました。

 黒のダブルブレスト・コートはトレンチコート風でのマニッシュな見た目ですが、フォルムを裾に向かった広がるエンパイアラインにし、裾と袖先に切り替えを配してレディライクに見せています。

 英国紳士の象徴とされる傘を女性モデルに持たせたのは意外でした。腕に引っかける長傘ではなく、比較的短めの女性用です。

 ボーダー柄のポンポン付きマフラーがキュート。男性も含めて大勢のモデルの首に巻いていました。端につけたポンポンをフリンジに変えたマフラーもありました。ゆるめたネクタイ風に、帯をルーズに首に巻いた演出はボヘミアンテイストを感じさせます。

 茶のレザーコートは裾と袖先にファーをあしらい、ボーダー柄の膝丈スカートと合わせています。大きめのスクエア・サングラスに、厚めの黒いストッキングと赤い靴で、60年代ロンドンのノスタルジックな気分を演出しています。肩掛けで小脇にはさむバッグ、水色の手袋も古めかしい味わいです。

 両胸と両腰にフラップ付きポケットを配したショートジャケットはミリタリー調で、袖も細め。マニッシュなラインです。あえてボリューム感のあるおとなしめの膝丈スカートで合わせました。

 チェック柄のジャケットに膝丈のグレーのクロップトパンツというセットアップもクラシック。伝統のバーバリー・チェック柄はバッグにあしらいました。

 ソワレラインでは大きな段のティアードスカート・ドレスをぶつけてきました。バスト下からティアードが始まっています。トップスにはマニッシュなショートジャケットを合わせました。

 靴は爪先から4枚の革を切り替えています。赤、茶、紫、黒といったパンチの効いたカラーリングです。

 クリストファー・ベイリー氏は71年、英国・ヨークシャーで生まれました。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業。「ダナ・キャラン」「グッチ」などで経験を積んでいます。

 英国ブランドの「バーバリー・プローサム」はもともと地元のロンドンコレクションに参加していましたが、ロンドンコレの地盤沈下を嫌って、ミラノに発表の場を移しました。

 「プローサム」は99年秋冬からスタートした、「バーバリー」で最も新しいブランドです。1856年創業の老舗の若返りを象徴しています。ベイリー氏は2002年春夏のメンズから担当しています。

 「プローサム」のシンボルとなっているのは、馬上の騎士の姿。この騎士が手に持っている旗に書かれた文字が「プローサム」です。ラテン語で「前進」という意味があります。

 「プローサム」を立ち上げた当初のデザイナーは、ドイツのブランド「ジル・サンダー」から引き抜いた、米国生まれのイタリア人デザイナー、ロベルト・メニケッティ(Roberto Menichetti)氏でした。フランスのブランド「セリーヌ(CELINE)」で2005年春夏からレディースの主任デザイナーを任されています。自分の名前を冠したブランド「ロベルト・メニケッティ」も手がけています。

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