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  (3/31) 2005―2006年秋冬ミラノ・コレクション解説 「アントニオ・ベラルディ(Antonio Berardi)」

 全体に黒やグレーをベースにしながら、テイラーリングや刺繍の匠を細部にまで行き渡らせ、上質のフェミニティを匂い立たせています。メンズライクなパンツスーツでかえって女らしさを強調する手際も鮮やかです。

 黒のジャケットに合わせた黒のスリムパンツは極端なハイウエストで脚を長く見せています。ジャケットのラインはスリムでタイト。絞るところは絞って、女性のボディラインのメリハリをしっかりアピールしています。

 黒のピッタリしたジャケットは腰から4本の帯状のストリングスを膝辺りまで垂らして動きを出しました。黒のミニスカートで合わせています。

 ベージュのミニドレスは刺繍やレースをふんだんに使ってラグジュアリー感たっぷり。袖先から細いストリングスの束を垂らしています。肩には同じ色のケープ。襟全体にスタッド(鋲)を配しました。スカートは全体に刺繍を施し、腰回りの2倍ほどもあるボリュームがクラシックです。

 マニッシュなラインのチェック柄ロングコートとセットのパンツの組み合わせを提案しています。英国紳士のワードローブからそのまま上下そろいで借りてきたような違和感が目を引きます。

 茶系ストライプのパンツスーツは映画「オースティン・パワーズ」を思わせる1960年代調。広襟のスリムなワンボタンジャケットに、同じくスリムのパンツで合わせました。マスキュリンなフォルムが逆に女らしさを感じさせるという逆説的な企みが成功しています。

 グレーのショートジャケットに、ティアード仕立てのミニスカートを合わせました。スカートは全面に細かい刺繍をあしらい、裾はブルマーっぽいコケティッシュなテイストです。

 ハードなレザーを使ったロングブーツはスタッドと刺繍で柄を描き、足元に視線ポイントを作っています。色も黒、赤と、パンチがきいています。

 アントニオ・ベラルディ(Antonio Berardi)氏はウエストをぐっと絞った曲線美のシルエットで知られています。ボディーコンシャスな作風で、「女性に胸がなければデザインしない」という言葉は有名です。胸と腰を強調するエロティックな作風でも知られています。

 刺繍や切り替え、ベルト飾りなどのディテールに凝った、クチュールテクニックを駆使した構成を得意としています。着た瞬間、その人を変身させるようなドラマチックな服作りが持ち味。「ジバンシィ(Givenchy)」の新デザイナーに起用されたリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)氏はベラルディ氏のアシスタントでした。

 1968年、英国のリンカーン州グランサム(Grantham)でイタリア人の両親の間に生まれました。デザインにもイタリアンテイストが濃厚に香ります。シシリーと英国のカルチャーミックスは作風として織り込まれています。

 ジョン・ガリア−ノ氏のアシスタントを務めて経験を積み、ロンドンにあるファッションの名門校、セントラル・セント・マーティンズ校を94年に卒業。卒業直後の95年から、自身の名前を冠したブランドを立ち上げ、「ロンドン・ファッション・ウイーク(ロンドン・コレクション)」に初参加しました。

 デビュー当初はアレキサンダー・マックイーン氏、フセイン・チャラヤン氏とともにロンドンの華となっていましたが、今ではアレッサンドロ・デラクア、ステファノ・グエリエロ、アントニオ・マラスらの各氏と並んで、ミラノ・コレクションの中核的存在になりました。

 97年からイタリアの革製品メーカー、ルッフォ社のレザーブランド「ルッフォ・リサーチ(Ruffo Research)」の、99年からは「エクステ(Exte)」ブランドの主任デザイナーを務めています。

 セカンドライン「トゥー・ダイ・フォー アントニオ・ベラルディ(2 die 4 ANTONIO BERARDI)」を2004年春夏から発表しています。日本ではファーストラインとともに、アパレル商社のブルーベル・ジャパンが取り扱っています。

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