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  (3/8) 2005―2006年秋冬パリ・コレクション解説 「キャシャレル(Cacharel)」

 キュートなプリント柄で人気の「キャシャレル(Cacharel)」はガーリーでかつレトロなコレクションとなりました。フラワープリントを前面に押し出したマルチカラーのランウェイでした。

 モデルの頭ほどもある大判のフラワープリントを散りばめた、黒地のノースリーブ・ワンピースで幕開けしました。少しくすんだパステルトーンの赤や黄色、緑が冬の寒さを忘れさせてくれそうな元気のいい色使いです。

 首に巻いた濃い茶色のマフラーには、同じ色調の赤、黄色、緑のピンポン玉大のポンポンを10個程くっつけ、動きと彩りを増しています。ポンポンはセーターの襟周りにも並べられていました。膝丈のブーツは目を奪う朱色。両脇に無数の同色フリンジを生やし、生命力を感じさせます。

 フラワープリントは組み合わせを変えて、何度も繰り返し登場しました。七分袖の大判花柄トップスに、膝丈のストライプスカート、プリントタイツを組み合わせたり、細かい花柄を全身に配した長袖ワンピースに、同じ柄でもっと小さい柄のタイツを合わせたり。いずれも靴はフリンジ付きの「ひげシューズ」でした。

 かぶり物ではトップの中央部をくぼませてかぶる中折れ帽(ソフト帽)を押していました。一般的な中折れ帽よりもトップを高めにしてあります。わざと頭のセンターをはずして、左右にずらしてかぶる崩し方や、頭にスカーフを巻いた上から中折れ帽を斜めにチョンと乗っけるテクニックを提案しています。

 こぶし大の花弁のアップリケを、赤いジャケットの両襟前部に1個ずつ置いたり、襟なしピーコートの首周りに3個並べたり、フラワーモチーフには強い思い入れを感じさせました。

 オランダの画家、ピエト・モンドリアンにインスパイアされたかのような、赤、青、黄色の四角形を幾何学的に配置したコートに目を引かれました。黒の細かい格子柄を重ねて重層的に仕上げています。

 幾何学的なモチーフは花柄と競い合うように盛り込まれ、プリントパターンの抽斗(ひきだし)の豊かさを印象づけました。フラワーモチーフと幾何学的モチーフとのマリアージュ(組み合わせ)も試みています。

 カウボーイシャツやガウチョパンツ(南米の牧童が着る、七分丈の裾広パンツ)といったアイテムも持ち込みました。この辺りはブラジル出身のイナチオ・リベイロ(Inacio Ribeiro)氏のアイデアでしょうか。そのほかにアジアンエスニック調やロシア風の細かい文様も取り入れられていました。

 ボトムスはガウチョパンツを含むクロップトパンツが目立ちました。膝寸のものも登場。黒地のフラワープリント・タイツを組み合わせています。段々になった横切り替えがポイントのティアードスカートは花柄でも幾何学模様でも提案。黒の無地スカートの上に花柄スカートを重ね着するスタイルも打ち出していました。

 チェックのシャツやコートに、大きめの花弁アップリケを1個、コサージュ風に重ねる工夫が随所に見られました。花弁モチーフはベルトのバックルにも使われています。

 わざとかすれさせたような染め色を使い、ヴィンテージ感を醸し出しています。ヴィヴィッドカラーは避け、花柄が躍りすぎないように工夫しているようです。くすんだシャーベットグリーンはアッパーにもブーツにも何度も使われていました。

 スザンヌ・クレメンツ(Suzanne Clements)氏とイナシオ・リベイロ(Inacio Ribeiro)氏の夫婦デュオ「クレメンツ・リベイロ(Clements Ribeiro)」が2001年春夏から、デザインを任されています。4年を経た「クレメンツ・リベイロ」の「キャシャレル」は自信にあふれていました。

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