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  (3/7) パリ、ミラノが中国シフト

 2005―2006年秋冬のパリ、ミラノ両コレクションで、ランウェイサイドに異変が起きました。これまではあまり目立たなかった中国人バイヤーが従来よりもランウェイに近い良席に陣取るようになりました。有力ブランドは市場としての中国に大きく期待しており、そうした意識が座席配置での配慮につながっているものと思われます。

 中国人バイヤーの人数が増えたのも変化と言えますが、それ以上に有力メゾンが中国人バイヤーを以前よりも優遇するようになったというのが、最大の変化です。

 特にビッグメゾンほど、「中国シフト」に熱心なようです。「ミュウミュウ」「フェンディ」などは中国人バイヤーに前の方のシートを提供していました。

 こうした「中国シフト」の背景には、中国の富裕層の増大という事情があります。中国の2004年の国内総生産(GDP)の伸びは実質で9.5%という驚異的な数字。上海市に到っては13.5%という、とてつもない急成長を遂げています。当然、その成長に比例する格好で、富裕層が急増。彼らは「成功の証」として、高級ブランドを買い求める傾向が強く、上海には欧米の有力ブランドが競って出店しています。

 今回の秋冬コレクションではファー(毛皮)やエンブロイダリー(刺繍)など、そのブランドの名前を知らなくても見た目で「高級」「リッチ」と感じさせるような作品が目に付きます。もちろん、デザイナーのアーティストマインドの方向性もあるのでしょうが、中国やロシアなど、新興マーケットを意識して、視覚的なラグジュアリー感を強調しようとした結果という側面も否定できないでしょう。

 ロシアに関しては明らかにロシアンテイストの作品もビッグメゾンのランウェイで相次ぎました。中国向けをはっきりと感じさせる作品は今回の秋冬では「プラダ」のコートに添えられたチャイナ風ボタン程度しか、まだ見受けられませんが、次回以降ははっきりと中国シフトを感じさせる作品が登場する可能性もあるでしょう。

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