2004年の流行語になった「韓流（はんりゅう）」がファッション界にも飛び火しているようです。韓国系デザイナーが日本で評価されつつあります。

　大ヒットした韓国ドラマ「冬のソナタ」で、ヒロインのユジンを演じた女優、チェ・ジウの衣装を手がけた韓国のデザイナー、カン・ヒスク氏さんの作品を集めた日本で初の展示会が２月23日、福岡市の福岡天神・大丸で始まりました。同ドラマで使われたのと同じデザインのコートやドレスを３月１日まで展示販売しています。

　セレクトショップ「リステア（RESTIR）」「ルシェルブルー（LE CIEL BLEU）」を展開するルシェルブルーは「ハンアンスン（Han ahn soon）」ブランドを発掘し、主力ブランドに育て上げました。「ハンアンスン」は2004年に伊勢丹新宿本店（東京・新宿）に出店。阪急梅田本店（大阪市）や有楽町阪急（東京・千代田）にも展開するなど、店舗を急ピッチで増やしています。

　「ハンアンスン」を手がけるのは、在日韓国人３世の女性デザイナー、韓安順（ハン・アンスン）氏。紫や赤などの色使いに特徴があります。1976年、大阪府に生まれ、98年に創美苑服飾専門学校（現在の創美苑ファッションデザイン専門学校）を卒業しました。卒業後すぐに「ハンアンスン」ブランドをスタート。99年に大阪コレクションに初参加しました。2003年春夏からは東京コレクションにも参加しています。

　ルシェルブルーは大コレ後の2000年に韓氏と契約。同社のセレクトショップでは2001年から取り扱いが始まり、今では主力ブランドに成長しています。2002年には「ハンアンスン」のブティック第１号店を大阪市にオープンしました。

　韓氏が注目されるきっかけになった大コレは韓国の若手デザイナーの登竜門となった感があります。2005年春夏でも韓国人デザイナーのクァク・ヒョンジュ氏らが参加しました。

　2005年春夏の東コレでも韓国人デザイナー、チョイ・チャンホ氏が手がける「チョイチャンホ（choichangho）」が初参加しました。お笑いタレントのガレッジセールがそろってモデルとして出演。顔に手形のペイントを施した演出が話題を呼びました。新進デザイナーの相次ぐ登場もあって、今後ますます「ファッションの韓流」は勢いづきそうです。