アシェット婦人画報社が発行している女性月刊誌「婦人画報」が2005年で創刊100周年を迎えます。同誌が創刊されたのは、日露戦争後の1905年（明治38年）。写真や絵を多用したビジュアルスタイルの女性誌は日本で初めてでした。

　「画報」というタイトルは、当時としてはビジュアル重視の編集方針が珍しかったことを物語っています。「婦人画報」を創刊したのは、小説『武蔵野』『牛肉と馬鈴薯』などで知られる作家の国木田独歩です。

　現在の発行元であるアシェット婦人画報社は、旧婦人画報社が1999年、フランスの出版社大手、アシェット・フィリパッキ・メディアに買収されて誕生しました。日本の老舗出版社が外資の完全な傘下に入ったのは、アシェット婦人画報社が初めてです。主力雑誌には「25ans（ヴァンサンカン）」「エル・ジャポン」「メンズクラブ」などのファッション誌があります。

　アシェット社傘下に入って以降、経営建て直しが進みました。買収前の看板雑誌だった、10代女性向けの「ｍｃシスター」は赤字が続いていたことを理由に、2001年12月に休刊に踏み切りました。一方、2004年９月には男性向け高級ファッションを柱にしたライフスタイル誌「「ジェントリー」を創刊しています。

　フランスの本家、アシェット社は1826年、ルイ・アシェット氏が創業。有力ファッション誌「ELLE（エル）」で知られる大手出版社です。インターネット事業も積極的に展開していて、「エル・ジャポン」のウェブマガジン「エル・オンライン」はファッション好きにはマストのブックマークサイトとなっています。