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  (2/17) 2005―2006年秋冬ロンドン・コレクション速報 「ジュリアン・マクドナルド(Julien Macdonald)」

 ギラギラファッションで知られる「ジュリアン・マクドナルド(Julien Macdonald)」。今回は毛皮反対派を挑発したいのかと勘ぐりたくなるほどのファーのオンパレードとなりました。スワロフスキー(Swarovski)社製のクリスタルをちりばめた「ギラピカ」モチーフも健在でした。

 肩にあしらった毛皮は1匹丸ごとその生前の姿がはっきり分かる、ちょっとショッキングなデザイン。しかも胸にしっぽが垂れるというおまけ付きです。穴が何カ所も開いたクラッシュドデニムの上にファーを羽織る組み合わせは迫力がありました。ファーの種類もミンクにキツネ、チンチラ、セーブル(黒テン)など高級な品物を惜しげもなく使っていました。

 繰り返し登場したのは、パフスリーブ。ジャケットやドレスを七分袖にして、ひじから先にパフスリーブがのぞくという仕掛け。パフスリーブのシャツの上に派手なキャミソールビスチェを重ね着するレイヤードも意外性があります。

 アクセサリーでは腰まである超ロングネックレスが利いていました。山伏の大数珠を思わせるようなサイズで、ちょっと首が凝りそうです。玉の色は黒やゴールド。ピンポン玉ほどもある大玉を連ねています。

 ジュリアン・マクドナルド氏らしい切れ味もあちこちにうかがえました。スーパーモデルのナオミ・キャンベルが着たホルターネックのブラックドレスはへそ上まで胸元の切れ込みが深く入っていてスーパーセクシー。どこから腕を出しているのか分からないトリッキーなカッティングのボウタイ付きコートはアイデアの勝利です。

 パンツはハイウエストを多用。ももにポケットを配するなど、足が長く見える工夫が生きています。

 モデルには「ローリング・ストーンズ」のボーカル、ミック・ジャガーの娘、エリザベス・ジャガーを起用。一部ではロンドンからミラノへ発表の場を移すという観測が流れていましたが、客席には有名女優が大勢、顔を揃え、ロンドンでの人気の高さを裏付けていました。

 マクドナルド氏は1972年、英国・南ウェールズ生まれ。ロンドンの大学院レベルの教育機関、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(the Royal Academy of Art)で学びました。卒業コレクションを評価したデザイナー、カール・ラガーフェルド氏の導きで、「シャネル」のアシスタントに。在学中から「シャネル」で働き始めたそうです。主にニットウェアを担当しました。

 97年に自分の名前を冠したブランドを立ち上げ、97―98年秋冬コレクションから、ロンドン・ファッション・ウイークに参加。2004―2005年秋冬パリ・コレクションまで「ジバンシィ」のレディース・プレタポルテのデザイナーを務めました。2001年に起用が決まった時点ではまだ28歳でした。前任者のアレキサンダー・マックイーン氏が「グッチ」に引き抜かれた後がまに座った格好です。2000年には英国航空(ブリティッシュ・エアウェイズ)の新ユニフォームをデザインしました。

 マクドナルド氏のデザインのキーワードは「グリッター(glitter)」。クリスタルを編み込んだピカピカのセーターで知られています。ストリートとエレガンスのミックスを得意としていますが、「ジバンシィ」のデザイナーに就任して以降は、スタンスの定まらないところがありました。しかし、今回のコレクションではいきなりショーの冒頭で、ナオミにツイードを着せるなど、「ジバンシィ」以前の踏み込みが戻ってきたようで、頼もしい感じがしました。強みのニットにも自信が感じられます。

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