国産バッグメーカーのクイーポが元気です。1999年に発売した革バッグのブランド「genten（ゲンテン）」が勢いづいています。

　「土に返る」ことを前提にした、ナチュラル志向で知られています。「環境保護」をメッセージにした点も支持される理由の一つでしょう。植物性のタンニンなめしにこだわっています。縫製用の糸にもナイロンは使わない。金具もあまり使用しない。トウモロコシのでんぷんから作った繊維を使うブランド「エコマコ」のレディースウエアの展開を始めました。

　東京・新宿の伊勢丹新宿本店の１階中央に「genten」のスペースを確保しています。売り上げは同店のバッグブランドでトップクラスだそうです。近年は海外への出店を加速。パリや上海にも店をオープンさせました。

　「原点」から命名したブランド名は「人間も自然の一部」という「原点」を意識しています。社名の「ＫＵＩＰＯ」はハワイの先住民の言葉で「私の恋人」という意味。「恋人のように商品を大事に扱ってもらいたい」という願いが込められています。バッグ以外にも靴や小物も手がけています。

　2004年12月には東京・銀座にレストラン「Ryori-genten（リョーリ・ゲンテン）」を開きました。秋田・角館にあった日本料理「一行樹」の元オーナーシェフ、高橋一行氏を料理長に迎えた、オーガニック志向のレストランです。

　クイーポはこれまで「アナ・スイ」「ベネトン」などのデザイナーズブランドのバッグを手がけてきましたが、岡田国久会長は以前から「genten」を大きくしたいと考えていたようです。創業40年のクイーポは「自然との共生」をメッセージに、ライフスタイル提案型のブランドとしてさらにビジネスの幅を広げていきそうです。

［関連リンク］
・gentenのサイト　 http://www.kuipo.co.jp/genten/