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  [ブランド名]
ヘザレット(Heatherette)

[解説]
 クラブに着て行く遊び着にぴったりの、ポップでパンキッシュなブランドです。最近ではサンリオのキャラクター「ハローキティ(Hello Kitty)」を使ったシリーズを発表して、「キティ」を世界的なファッションスターにしてくれました。

 ニューヨークのクラブキッズとして有名だったリッチー・リッチ(Richie Rich)と、米国指折りのロデオ乗りだったトレイバー・レインズ(Traver Rains)という異色のユニットがデザイナー。ストリートとセレブリティーのミックス感覚が持ち味です。

 ピンクや黄色、オレンジなど鮮やかなマルチカラーの幾何学的模様がキュート。原色や蛍光色を散りばめたセクシーな色のパレットが素敵です。「ニューヨークのすべてからインスパイアされている」と語る通り、その作品にはマンハッタンが凝縮されたかのようです。

 「ファッション界の反逆児」と呼べるでしょう。米国ファッション界ではファッション工科大学(F.I.T.)やパーソンズ・スクール ・オブ・デザインなどの名門ファッションスクール卒業生がメーンストリームとなっていますが、リッチは自ら裁縫を学んだ独学派だそうです。そういう経歴も反骨スタイルの下地になっているのかもしれません。

 女性ラッパー、フォクシー・ブラウン(Foxy Brown)が最初の顧客となったこともあってか、芸能界に大勢のファンがいます。大物ロックバンド、エアロスミス(Aerosmith's)のリードボーカル、スティーブン・タイラー(Steven Tyler)はじめ、マライア・キャリー(Mariah Carey)、ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)、アリシア・キーズ(Alicia Keys)らが顧客。ロックバンド「ガービッジ(Garbage)」のボーカル「シャーリー・マンソン(Shirley Manson)」、女性ラッパーのリル・キム(Lil' Kim)らがファンだという辺りに、クラブ系の「ヘザレット」らしさがうかがえます。

 意外なところでは、「クリスチャン・ディオール」のデザイナー、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)、ホテル王のヒルトン一族出身であるヒルトン姉妹もファンだとか。日本ではファッションリーダーでもある歌手の浜崎あゆみが「ヘザレット」好きだとされています。

 日本との縁が深い「ヘザレット」はファッションショーにも土屋アンナ、デヴォン青木(Devon Aoki)らを起用しています。映画「ワイルドスピ−ド×2」に出演したデヴォンの父は米国で成功した有名実業家のロッキー青木。ロッキー青木は鉄板焼きレストラン「ベニハナ」で成功し、「アメリカンドリーム」を体現した人物といわれます。

 「エレガントパンク」とでも呼びたくなるようなデザインには才能のきらめきが感じられます。レザー、デニムを多用したストリートテイストと、ラメやスパンコールを多用したミスマッチ感覚が「ヘザレット」流。日本の高級織物、西陣織や京友禅を使ったコレクションでは、反物を惜しげもなく細かく切り刻んでフリルにしたり、さらしやまわしのように肌に直接、巻きつけたりという「掟破り」のデザインを披露してくれました。

 ニューヨークコレクションの目玉ブランドとなった今も、フレアーのミニスカートに代表される、アンダーグラウンドの毒気やキッチュな気分は失われていません。デビューコレクションでテーマにした「Look at Me」という言葉からは、彼らが主張する「人々の視線を集める楽しい服」というメッセージが伝わってきます。

●ブランドデータ


[本国]
米国(ニューヨーク)


[経営・日本での展開]
 日本法人はない。日本ではセレクトショップでの展開。

 2002年夏にサンリオとアパレル分野で契約。同年からサンリオのキャラクター「ハローキティ」をモチーフにしたコラボレーションシリーズをスタート。第1弾は夏向けの透明バッグ、第2弾はTシャツなど、第3弾はスポーティーなボストンバッグ、ぬいぐるみ付きバッグなど。

[歴史]
 デザイナーユニットの一人、リッチー・リッチ氏は米国・カリフォルニア出身。2歳からアイススケートを始め、一時は米国で12位にランクされるまでになった。米国最大のアイスショー「Ice Capades」でワールドツアーにも参加した。後にニューヨークへ移り、人気クラブで働き始める。クラブキッズとして有名になったリッチ氏は独学で身に着けた技術で、自分がクラブに着て行く服をデザインし始めた。

 もう一人のトレバー・レインズ氏は米国北西部のモンタナ出身。暴れ馬を乗りこなすロデオ乗りとなり、ホースショーで100を超えるタイトルを獲得。ホースショーで着る派手な衣装を自ら作るために、ファッションに興味を持ち始めた。ショーで目立つ、他人とは一目で違うと分かる服という考えは、後の「ヘザレット」のデザインコセプトにつながっていく。テキサスの大学で経済学と国際ビジネスを学ぶ。後にニューヨークへ移り、リッチーと出会い、ユニット「ヘザレット」を結成。

 2人に転機が訪れたのは1999年。リッチ氏が出たパーティーで、彼が着ていた自作の服に目を留めたのが、有名スタイリスト、パトリシア・フィールド(Patricia Field)氏のブティックのバイヤー。フィールド氏はテレビ番組「セックス&ザ・シティ(Sex and The City)」の主演女優、サラ・ジェシカ・パーカーのスタイリストとして知られる。同番組全体の衣装も手がけ、テレビ界のアカデミー賞といわれる「エミー賞」を受賞した。

 フィールド氏がマンハッタンのグリニッチヴィレッジに開いたブティック「パトリシア・フィールド」はニューヨークモードの発信地として有名。96年には2店目のブティック「ホテルビーナス」をソーホーに開いた。三陽商会が2005年春から展開する新ブランド「スマッキーグラム(Smacky Glam)」ではクリエイティブアドバイザーに起用された。

 ブティック「パトリシア・フィールド」に飾られた「ヘザレット」の服を見たラップ歌手のフォクシー・ブラウンはMTVビデオアワードの授賞式に着て行くための衣装を2人に依頼。以後、2人は音楽界に多くの顧客を得ることになる。

 「ヘザレット」は2002年春夏ニューヨークコレクションでデビュー。クラブホッパーから圧倒的な支持を得る。

 2002年7月、アパレル分野でのコラボレーション契約をサンリオと結ぶ。ビジネスライクな関係ではなく、もともとリッチ氏は熱烈なキティファンだったという。こうした国際的なビランド展開においては、大学で国際ビジネスを学んだレインズ氏の才覚がいかんなく発揮されている。2003春夏ニューヨークコレクションでは「ハローキティ」をモチーフにした作品が話題を呼んだ。

[現在のデザイナー]
リッチー・リッチ氏とトレバー・レインズ氏


[キーワード]
クラブ、ポップ、パンク、「ハローキティ」


[魅力、特徴]
 クラブに繰り出すときが最適ですが、派手めのパーティーでも使えます。クラブ文化をバックボーンとする退廃的なムードが持ち味。

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