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  [ブランド名]
ダイアン・フォン・ファーステンバーグ(DIANE von FURSTENBERG)

[解説]
 フェミニンでノーブル(高貴)なテイストを持つ、大人の女性向きのブランドです。彼女の代名詞と言えるのが「ラップドレス(wrap dress)」です。着物風のカシュクール(着物のように前を打ち合わせる)スタイルのドレスは女らしさにあふれています。「wrap」とは英語で「包む」という意味。「サランラップ」でおなじみですね。その名の通り、女性の身体を柔らかく包み、女らしいなボディラインを演出してくれます。

 世界中のセレブリティーやエグゼクティブ女性の圧倒的な支持を受けたラップドレスは1970年代半ばに500万着も売れたという伝説があります。襟元に細かいドレープをあしらったラップドレスは今でも健在。ふわっとしたシフォン風のワンピースやスカート、カットソーもお得意です。

 アイテムはドレス中心の構成。作っていないのでしょうか、スーツは見ません。いわゆるコンサバティブなラインとは一線を画していて、一般に受け入れられやすいテイストといえるでしょう。「アンナ・モリナーリ」「アルベルタ・フェレッティ」などと同じく日本人受けする落ち着きが感じられます。

 ノースリーブのワンピースには羽織り物が必要となりますが、「ファーステンバーグ」の場合は着物にインスパイアされたということもあってか、袖付きのワンピースが多く、羽織り物が必要ないので、コーディネートが楽です。

 彼女の実生活を反映しているのでしょうか、気品あるデザインには上流階級の香りが漂います。背中が開いているベアバックのデザインはあまりなく、胸元だけが開いているものが多く見られます。首が詰まっていないので、襟元からのぞく地肌がセクシーな雰囲気を醸し出してくれます。

 どことなく懐かしい。それが「ファーステンバーグ」の持ち味です。テキスタイルは総柄プリントが目立ちます。花柄や幾何学模様をちりばめたテキスタイルは無地のものとはぐっと差が付きます。

 年齢を選ばないというのも、「ファーステンバーグ」の素敵なところ。超ミニのラインはほとんどなく、多くは膝丈。着回し、組み合わせが楽で、買っておいて損はないブランドです。

 ハーバード・ロー・スクールに入学したブロンド娘がサクセスをつかむ姿を描いた映画「キューティ・ブロンド」では、女優のリーズ・ウィザースプーンが演じた主人公、エルがピンクのシルクのラップドレスを着ていました。「ファーステンバーグ」のニューヨーク・コレクションには、ヒルトンホテルのオーナー令嬢であるヒルトン姉妹がしばしば顔を見せており、かつて「プリンセス」だったダイアンにはやはりセレブの雰囲気が似合います。

 「ファーステンバーグ」の服は主にセレクトショップで展開されています。日本にはまだ専門の日本法人ができていないらしく、路面店はありません。「バーニーズ・ニューヨーク銀座店」(東京・銀座)では結構力を入れて取り扱っています。そのほかにもセレクトショップ「インターミックス」、三陽商会が展開する「エポカザショップ銀座」などでも仕入れています。

●ブランドデータ


[本国]
米国(ニューヨーク)


[経営・日本での展開]
 日本法人はまだない。セレクトショップ中心の取り扱い。

 「ダイアン・フォン・ファーステンバーグ ビューティー」のブランド名で化粧品を幅広く展開。メークアップ用、香水、ブラシ、化粧バッグなどを手がける。

 英国のスポーツブランド「リーボック」と共同開発したフィットネスウエアを2004年に発売した。白と青をベースにした上品なテニスウエアなどは米国の女子トッププロ、ビーナス・ウィリアムズが着用している。

[歴史]
 ダイアン・フォン・ファーステンバーグ(Diane von Furstenburg)氏は1946年、ベルギーのブリュッセルで生まれた。スイスのジュネーブ大学で経済学を専攻していたころ、ドイツ系の貴族の末裔であるイーゴン・フォン・ファーステンバーグ公爵と知り合い、結婚した。69年、夫と渡米。「プリンセス・ダイアナ」は長男アレクサンドル(Alexandre)と長女タティアナ(Tatiana)を出産した。その後、離婚。

 70年代初頭からニューヨークの5番街にオフィスを構え、ファッションビジネスに進出した。女性の解放の機運にも乗って、76年には500万着ものラップドレスを販売。時代を代表する女性となる。この年の『ニューズウイーク』誌9月号では「ココ・シャネル以来、最も成功した女性」と評価された。

 ファッション以外に化粧品や家具などにも進出。75年にスタートした香水では娘の名を取った「Tatiana」が大ヒットした。 しかし、80年代半ば、米国ファッション界に突如、背を向け、パリへ移住。90年に米国に戻る。以後、インテリア・生活用品のシリーズを発表。米国のファッション業界の有力誌『ヴァニティ・フェア』誌の編集にも携わった。

 97年、本格的にニューヨークのファッションシーンに復帰。若い世代の女性がヴィンテージショップで昔のラップドレスを買い求めていることを知ったのが、きっかけの一つだとも。息子の妻、アレクサンドラ氏を協力者に迎えた。98年、半生記的内容の『ダイアン』(著者は本人ではない)が出版された。

 2001年、ニューヨークに旗艦店「ダイアン・フォン・ファーステンバーグ」をオープン。米同時テロの5カ月後に開かれた2002―2003年秋冬ニューヨーク・コレクションでは「ニューヨークの無限の可能性」をテーマに、着物の打ち合わせや帯を取り入れたドレスや、アラビア風パンツ、インドのサリーをモチーフにした作品を発表し、話題を呼んだ。

 ダイアン氏自身、ファッション界のビッグネームだが、夫はさらにその上を行く。彼女のパートナーは米国メディア界の超大物経営者、バリー・ディラー(Barry Diller)氏。日本ではあまり知られていないが、米国ではハリウッドの巨人として有名だ。

 ディラー氏はドラマ「X―ファイル」「フレンズ」「24」などで知られるテレビ局、FOXの初代会長、映画「ミッション:インポッシブル」「プライベート・ライアン」などを製作した映画会社のパラマウント・ピクチャーズ会長など、メディア界のトップを歴任。FOXを大手ネット局に育てたが、オーナーだった「メディア王」のルパート・マードック氏と衝突して92年に退任した。その後、「ネット財閥」と評される米国の電子商取引大手、インターアクティブ(IAC)の会長兼最高経営責任者(CEO)となった。年間売上高が1兆円に迫ろうかという巨大企業を率いるビッグマンだ。

[現在のデザイナー]
ダイアン・フォン・ファーステンバーグ氏


[キーワード]
「ラップドレス」、カシュクール、花柄、フェミニン、レトロ感


[魅力、特徴]
 ノーブル(高貴)な女らしさをアピールできます。気品あるデザインで、1枚あれば上品な演出ができそう。

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