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  [ブランド名]
キャシャレル(Cacharel)

[解説]
 プリント柄がキュートな、ポップでカラフルなブランドです。1962年にスタートしたフランスの老舗ブランドですが、2001年春夏から英国の夫婦デザイナーユニット、クレメンツ・リベイロ(Clements Ribeiro)がデザイナーになって以降、すごく元気になりました。英国人のスザンヌ・クレメンツ(Suzanne Clements)とブラジル人のイナチオ・リベイロ(Inacio Ribeiro)の夫婦ユニットです。

 コーラルブルーやフレッシュピンクといったポップでフレッシュな色使いが気持ちを浮き立たせてくれます。60〜70年代の黄金期を経て、「キャシャレル」は今、再び第2のベストシーズンを迎えていると言えそうです。もともとフランスのカジュアルブランドとしてスタートした歴史を踏まえて、クレメンツ・リベイロは日常的に街中で着られる「リアルクローズ」を提案しています。

 20年ぶりにパリコレクションに復帰した新生「キャシャレル」。しかし、よい意味での大衆性は失われていません。むしろ、クレメンツ・リベイロならではの茶目っ気が加味され、軽やかなフレンチカジュアルに仕上がった感があります。和服帯やスモックドレスなどのトリッキーな仕掛けは遊び心に満ちています。

 「キャシャレル」の歴史はプリントの歴史でもあります。英国のリバティー社が生み出す伝統の「リバティープリント」を60年代から採り入れてきました。その伝統を大事にするクレメンツ・リベイロは繊細な花柄や着物柄、ペイズリー柄、ハート柄、アニマル柄、フルーツ柄など様々なプリントをドレスから靴下にまであしらったコレクションを展開。チェック・オン・チェック、チェック・オン・ストライプなど上級者向けの柄合わせも提案しています。

 「サイコビリー(サイケデリック、ロカビリー、パンクを融合したロック)」にインスパイアされた、2004―2005年秋冬のコレクションはマルチカラーのストライプパンツなど、ロック気分満点で、「キャシャレル」復活の象徴として絶賛を浴びました。2001年秋冬で発表した、目の錯覚を逆手に取ったトロンプルイユ(だまし絵)プリントもヒット。胸のリボンもスカートのプリーツも実は全部、プリント。フレンチカジュアルの伝統と、英国ファッションの革新性が今、「キャシャレル」の中で鮮やかに融合し始めました。

 ガーリーなのにレトロっぽいアイテムはちょっと古着感覚で楽しめます。手持ちのクローズと簡単に組み合わせられるのも嬉しいところ。中でもシルク、レーヨン素材の商品がかわいいと思います。

 「キャシャレル」は昔から女性のボディを締めつけないラインが特徴です。クラシックでいてスポーティ。そこにクレメンツ・リベイロのロマンティックな作風が加わって、明るくハッピーなアイテムが次々と生まれました。ミニのプリーツスカートなど、「キャシャレル」お家芸のアイテムもモダンな装いで復活。日本でも2004年春夏物でツイードジャケットが人気を集めました。

 「キャシャレル」のショップは伊勢丹新宿店や大丸梅田店などの百貨店に出店しているほか、代官山アドレス・ディセにもあります。インポート主体ですが、2004年春夏シーズンからはインポート、ライセンスの二本立てでの展開が始まりました。インポート物はセレクトショップでも取り扱っています。

●ブランドデータ


[本国]
フランス(パリ)


[経営・日本での展開]
 フランス最大級のアパレルメーカー、ジャン・キャシャレル社が展開。伊藤忠商事系の伊藤忠ファッションシステムがマスターライセンシーとなって2004年春夏物から取り扱いを開始。輸入販売とライセンス事業の両方を展開している。アパレルはレディース、メンズのほかに子供服、水着もある。ライセンス商品では靴、バッグ、ランジェリーも計画。レディースアパレルのライセンス商品はサンエーインターナショナルが生産する。

 サンエー・インターナショナルは2005年春から、「キャシャレル」の20〜25歳向けのライセンスの新ブランド「ベイビー・ジェーン・キャシャレル」を発売する。価格帯は「キャシャレル」より2〜3割ほど低く設定される見込みだ。

 サンエーは1977年、「ビバユー(VIVA YOU)」ブランドでアパレルビジネスに参入。「ナチュラルビューティーベーシック」「プロポーションボディドレッシング」「エービーエックス」「ヒューマンウーマン」「アンドピンキーアンドダイアン」「ノーベスパジオ」「プライベートレーベル」「ヴィヴァン・タム」「ジル・スチュアート」「ケイト・スペード」などのブランド(ライセンス含む)を手がけている。

[歴史]
 ミシン商人の息子として生まれたジャン・ブスケ(Jean Bousquet)氏が1962年、30歳で創業。ブランド名は、フランス南部のカマルグ(Camargue)県に生息する美しい鳥の名前から。そのため、「キャシャレル」の作品にはシーズンごとに鳥柄のプリントが登場する。

 66年からブスケ氏の義妹、コリーヌ・サリュー氏がデザインを担当。カジュアルブランドとしての地位を確立した。78年には香水「アナイス・アナイス(Anais Anais)」を発売。以後の収益の柱となった。

 ブスケ氏は83年、出身地のニーム市長に就任。90年代半ばまでは政治活動に力を注いでいたが、ファッション界の再編気運が高まる中、独立経営を貫く方針を打ち出し、2001年春夏から夫婦デザイナーデュオ「クレメンツ・リベイロ」を起用。ブランド再生に成功した。

 「キャシャレル」は日本人デザイナーと縁が深い。「ジュンコ・シマダ」ブランドのデザイナー、島田順子氏は75年にキャシャレル社に入社。若い女性向けのブランド「フィキプシ」の立ち上げなどに関わった。しかし、当時の人種差別的な社内環境などに反発し、81年、辞職。その年、独立した。

 アパレルメーカー大手、ワールドの人気ブランド「オゾック」「インディヴィ」「ボイコット」「ヴォイス・メール」を手がけたデザイナー、田山淳朗氏もかつてキャシャレル社に籍を置いていた。田山氏は同社でSPA(製造小売り)の基本を身に着け、その手法を「オゾック」などに採り入れた。

 田山氏は自ら率いるブランド「アツロウ・タヤマ」と並行して、キャシャレル社のチーフデザイナーを務めた。田山氏のおかげで、同社が驚異的に売り上げを伸ばしたという実績は、その後の田山氏の評価を高めるのに役立った。

 山本耀司氏のブランド「ワイズ」を経て独立した田山氏は90〜94年、「キャシャレル」のレディースのチーフデザイナーだった。自分のブランドを持ちながら、同時に大手海外アパレルブランドの主任デザイナーになった日本人は、田山氏が初めてだった。

[現在のデザイナー]
クレメンツ・リベイロ(スザンヌ・クレメンツとイナチオ・リベイロ)


[キーワード]
キュート、プリント柄、ブリティッシュレトロ


[魅力、特徴]
 ポップでカラフルなデザインはデートにぴったり。同性にも受けます。手の出しやすいプライス設定が嬉しい。

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