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  [ブランド名]
ベッツィ・ジョンソン(Betsey Johnson)

[解説]
 1960年代からカルト的な人気を持つ伝説的ブランドです。その特徴は一言で言えば「キュート&セクシー」。胸元の開いたパフスリーブのワンピースや、ベビードール、ミニスカートに代表されるその「我が道を行く」スタイルには、ちょっとコスチュームプレイ的な要素を感じます。

 ベッツィは、"永遠の少女"を夢見る米国女性をとりこにしてきました。ちょっとキュートでセクシーに見せたい、でも子供っぽいのはイヤというときにはぜひベッツィを。ベッツィを着ると、気持ちがワクワクします。違う自分になりたいときにはピッタリ。クラブやライブ、ちょっとにぎやかなパーティとか、結婚式の2次会にも。

 ロックバンド「ベルベット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)」のメンバーだったジョン・ケールと一時、結婚していたなど、ロックと縁の深いベッツィには今もアンダーグラウンドなにおいがついて回ります。ベッツィとロックの関係はヴィヴィアン・ウエストウッドとパンクの関係のようなものかもしれません。

 お得意の色はショッキングピングやゴールド&シルバー、そして黒。プリント柄はあまりないようです。ストレッチ素材のメッシュ地ワンピースが人気アイテムの一つ。シースルーもベッツィのお家芸です。挑発的なデザインがベッツィ流。胸元が深い、少しセクシーなデザインが持ち味。逆にショートヘアには合わないかも。単品で日本人向きと言えるのはブラウスやカーディガン。カーディガンをショール代わりに使う手も。ナイロン素材が多く、家で洗濯できるのが嬉しい。

 ニューヨークを代表する大物デザイナーで、40年以上も第一線で活躍してきた彼女は米国女性の憧れ的存在。そのベッツィは数多くのセレブリティたちをファンに持つことでも有名です。目立つところだけでも、歌手のマドンナ、女優のキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア(ともに映画「チャーリーズ・エンジェル」)、シェール(「月の輝く夜に」)、ヘザー・グラハム(「キリング・ミー・ソフトリー」)らがファンとして知られています。

 シルバーのマイクロミニなどで米国ファッション界にショックを与え続けてきたベッツィですが、2002年には「Fashion Walk of Fame(ファッションの殿堂)」入りを果たしました。ファンキーファッションが米国ファッションの正当な歴史として認められた瞬間でした。

 90年代末には肺がんが発見されましたが、見事に克服し、そのことを公表しました。以後は肺がん治療の進歩のために売り上げの一部を寄付したり、キャンペーンの先頭に立ったりして、その社会意識の高さでも尊敬を集めています。この出来事は米国ファッション界における彼女の評価を一段と高めました。

●ブランドデータ


[本国]
米国(ニューヨーク)


[経営・日本での展開]
 B.J. Vines, Inc. Company(ニューヨーク)が経営。日本では2004年秋からピーチ・ジョンがインナーの取り扱いをスタート。代名詞とも言えるベビードールやストレッチサテンブラ、ガーターベルトなどが手に入るようになりました。靴やジュエリー、時計、サングラス、タイツ・ストッキングなどはユーインターナショナルオフィスが輸入代理店を務めています。
・日本語サイトはこちら

[歴史]
 ベッツィ・ジョンソン氏は1942年米国コネチカット州ウェザーフィールド生まれ。64年シラキュース大学卒。アートは専攻したが、専門的にファッションデザインを学んだことはない。

 同年、ファッション誌「マドモワゼル」のコンテストで受賞。同誌ゲストエディターになり、同誌のためにファッションイラストを描き始める。翌年、ブティック「パラファネーリア(Paraphernalia)に入った。69年、友人2人と「べッツィ・バンキー・アンド・ニニ(Betsey, Bunky and Nini)」という名のブティックを開いた。

 60年代後半からジョンソン氏はニューヨークのサブカルチャーとの関わりを深め、ポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホル氏らと親交を結ぶ。69年には、ウォーホル氏がサポートしたロックグループ、ベルベット・アンダーグラウンドのメンバーだったジョン・ケール(John Cale)氏と結婚(71年に離婚)。長女のルル(Lulu)が誕生した。

 72年、「米国ファッション界のアカデミー賞」といわれる「コティ賞」を最年少で受賞。78年、ベッツィ・ジョンソン社を設立。自己資金を元手に会社を起こしたことが、以後、誰も彼女のひじを押さえつけることなく、自由にイマジネーションをはばたかせることを許した。現在も大企業とは無縁の経営を続けている。

 型破りの奇抜なデザインで、デビュー当時からファッションの常識をぶち壊し続けてきた。裾に金属の環をはめ込み、触れ合って音がする「ノイズドレス(noise dress」や宇宙服を思わせるシルバーのマイクロミニスカート、フィッシュネットのベビードール、Tシャツドレスなどを次々と発表。その衝撃は「youthquake(「若者」と「地震」を合わせた造語)と評された。

 米国ファッションデザイナー協議会(CFDA)は99年、彼女に「Timeless Talent Award(時を超えた才能賞)」を贈った。彼女のために作られたこの賞の授賞式で、ジョンソン氏は「彼女のように時計を押さえつける(=時を超えて人気・才能を保つ)ことができるデザイナーはほとんどいない」と讃辞を受けた。歴史的な存在となってからも、フィメールである喜びを再確認させてくれるラインを提案し続けるベッツィは近年、ファッションショーに「プレイボーイ」のバニーガールを登場させ、喝采を浴びた。

 米国だけでも直営店を40店舗以上も展開。地元のニューヨーク州にはアウトレットを含めて7店ある。高級百貨店でもサックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)やノードストローム(Nordstrom)などで取り扱っている。レースの刺繍入りドレスは今も昔も高校の卒業ダンスパーティー(prom)の人気アイテムだという。

[現在のデザイナー]
ベッツィ・ジョンソン氏


[キーワード]
セクシー、キュート、ロック、ベビードール、アンダーグラウンド


[魅力、特徴]
 小悪魔に変身できる媚薬ブランド。グラマラスな夜へのインビテーションカード。ちょっと驚かせたいときに効果的。

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